岩手大学岩手大学外国語教育部会主催講演会:「単一言語主義から複言語主義へ」

日時:11月16日(金) 16時半〜18時半 
場所:岩手大学 北桐ホール 
講演会タイトル:「単一言語主義から複言語主義へ」西山教行(京都大学
主催:岩手大学外国語教育部会
協力:岩手大学国際交流センター

 大学の外国語教育は大きな岐路を迎えている。グローバル人材養成を唱える企業社会の圧力を目にして,大学は英語という単一言語主義の強化に余念がない。そこでのグローバル人材とは,もっぱら英語の話せる人的資源を意味するのみで,英語以外の言語教育は排除の対象となっているに等しい。この経済的効率性の論理は大学教育の中で英語以外の言語教育の削減や廃止としてあらわれている。

 この講演では,このような情勢を踏まえて,どのような言説を訴えることによって,単一言語主義の限界を示し,英語以外の言語教育の存続を可能とする複言語主義が拓かれるのかを考えたい。ここでの複言語主義とは『ヨーロッパ言語共通参照枠』の訴える理念を展開したもので,言語教育を能力の養成という観点からだけではなく,アイデンティティとしての言語という視点からも捉え直すことを狙い,必要な文脈化を行う限りにおいて,日本の言語教育の見直しにも有効であると考える。